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所沢市小手指のいいだ眼科による高血圧網膜症について

高血圧網膜症
患者数およそ 3,500万ともいわれる高血圧、この病気は日本人に最も身近な病気です。 自覚症状がないまま、血管をむしばんでいく高血圧は、ついには脳卒中や心臓病などの、寿命を左右するような病気を引き起こします。そして、高血圧網膜症という眼の病気も発生します。

眼底検査でわかる高血圧
高血圧の検査には、眼底検査があります。眼底検査は、ふたつの目的から行われます。
ひとつは高血圧網膜症の早期発見。高血圧網膜症は、自覚症状を伴わずに進行し、いったん視力障害が起きると回復は困難です。眼底検査で早期に異常を発見できれば、視力障害を予防できます。

もうひとつの目的は、網膜症以外の高血圧合併症の危険の予測です。眼底は、人体で唯一、血管の状態を直接肉眼で観察できる部位です。眼底の血管に異常が起きていれば、眼底以外の血管も同じように高血圧の影響が現れている可能性が高いと考えられます。網膜血管の変化のレベルと脳梗塞や心筋梗塞の発作の発生率には、深い関連があり、その予防に役立ちます

血圧が高いといわれたら…
高血圧は、動脈硬化と密接に関連しながら高血圧網膜症を起こします。
眼底検査では、高血圧の網膜血管への影響、動脈硬化の程度、網膜実質(網膜そのもの)の異常を確認します 。
血圧が高いと指摘されたら、まずは自分の生活習慣を見直しましょう。減塩・暴飲暴食・運動・禁煙など生活習慣の改善で、血圧が正常レベルまで下がることも非常に多いです。降圧効果が十分でない場合には、降圧薬を服用して治療します。一番いけないことは、「まだ大丈夫だろう」と、放置してしまうことです。

高血圧網膜症の治療
網膜血管に動脈硬化がなければ、血圧を下げることで血管の状態は元に戻り、出血斑や滲出斑も消失します。血管の収縮を抑える薬が主に用いられるようになってきました。また、動脈硬化がある場合には、交感神経抑制薬(心臓の収縮機能を抑える薬)で、血管の負担を軽減します。
高血圧網膜症が進行し、網膜に虚血部位や新生血管が生じた増殖網膜症には、新生血管発生の抑制、硝子体出血の予防を目的に、レーザー光凝固術を施します。さらに、硝子体出血や網膜剥離が起きてしまった場合は、硝子体手術により硝子体の透明化、網膜の剥離部分の復位を行い、視力の回復をめざします。

今回のアドバイス
サイレントキラー(=静かなる殺人者)。これは、高血圧という病気の特徴を端的に表現した呼び方です。高血圧を放っておくと、ある時突然、重大な病名を突き付けられることになりかねません。そうなる前に、適切な治療を進めていきましょう。 そして、高血圧から眼を守るために、半年に1回ぐらいは眼底検査を受けることも忘れないようにしてください。